念願のニワトリ飼育を始めるにあたって、欠かせない小屋を作りました。
庭先で養鶏する方は、たいていの場合、自分で製作する事が多いようです。我が家もご多分にもれず、DIYで行いました。
大工仕事は少しは慣れているものの、これまで建築物と呼べるようなものを作った経験はありません。とはいえ、小屋製作に関する情報はごまんと存在します。
しかしながら、自分たちが目指したい規模で、予算で、環境で、となると、しっくりハマる参考例はなかなかあるものではありません。
どんな事を考えて、どんな手順を踏んで、何に気を付けて、どんな困難があって、などなど。完成した今だからこそ、記しておきたい事があります。
ともあれ、前編①では我が家のニワトリ小屋の製作過程を記録し、また詳細をご紹介しようと思います。(後編②では小屋の全貌をご紹介する予定です。)
1つの製作例として、参考にしてもらえれば幸いです。
小屋を建てる場所を決める
まず、小屋をどこに建てるか決めなければなりません。これはとても重要です。敷地が広いお宅であれば別ですが、我が家の場合は建てられそうな場所は限られていました。それでいて、東か南向きで日当たりが確保できて、風通しのいい所。
絶好の立地というわけではありませんが、良さそうな場所を見つけました。
しかし、そこにはウッドデッキがあるので、少し壊さなくてはなりません。かなり傷みが激しく気になっていた部分なので、ついでに改修も兼ねて小屋を作ることにしました。
設置場所のデッキ下は柔らかい砂地のため、ノラ猫の糞被害で悩んでいた場所でした。
以前は花壇だった?ようで、ちょうど角形にコンクリートブロックが並んでいます。これを獣除けとして利用して丸ごと金網で囲って小屋にしてしまえば、禍転じて福となすことでしょう。いい考えが浮かびました。
というわけで、ニワトリ小屋設置のイメージができました。うまくいけば、デッキ下も利用した我が家独特の小屋ができそうです。しかしながら、そのためにはウッドデッキの改修を先に行う必要があります。
小屋の大きさを確保するためには、ウッドデッキの基礎を打ち直したり、大引きを組み替えたりと、手間のかかる作業が待ち受けています。
ウッドデッキの改修
あくまで小規模の養鶏を考えているので、3〜4羽を想定しました。そうすると、具体的な高さは後々考えるとして、面積としては2平米くらいあれば足りるでしょう。
ウッドデッキの一部を解体し、デッキの土台を作り直します。
解体作業に入りました。木材は腐っている部分が多いですが、まだ使えそうなものは取っておきます。ウッドデッキの補修で使えるだけでなく、ニワトリ小屋でもどこかで役に立つかもしれませんので。
土台の整備を終え、天板はサンダーがけして防腐塗料を塗り直しました。これで、小屋を建てるスペースが確保できました。小屋製作の準備完了です。
次は、おおよその設計と資材の準備です。
当ブログ記事:
ヒヨコを迎える準備をしています -ウッドデッキの改造と修繕①
小屋の設計
設計と言っても、大体のイメージ図です。でも、ラフ過ぎても意味がないので、どこにどんな木材を使って、どんな組み方にするか、という所まで詰めておいた方がいいです。さもないと、使える廃材が無駄になったり、何度も資材を買いに走るハメになるからです。
一応、自宅リフォームの解体時に出た廃材などをマメに取っておいたのですが、小屋の骨組みとなる材としては長さが足りず、残念ながら使えるものがほとんどありませんでした。
台風に耐え得る強度を保ちつつ、極力費用を安く抑えたい。ということで、2×4(ツーバイフォー)の木材でデザインしました。
これだと、6ft(約180cm)サイズがホームセンターで手軽に手に入ります(1本700円台)。また、今回作る小屋の規模にもちょうどいい長さです。
基礎作り、柱組み
建物作りで一番大事なのは基礎作りだと思います。この工程を疎かにすると、小屋の構造がどんどん狂ってしまいます。なので、とにかく水平・垂直に気を配って作業しました。
問題といえば、小屋の土台作りで苦労しました。
元々角形に敷いてあったコンクリートブロックの水平がバラバラ。さらに、ピンコロ(束石)とぶつかるため、設計よりも小屋を数cmずつ縮めなければならなくなりました。これはうっかり、想定外でした。
でも、ここで時間をかけてしっかり施工したおかげで、その後の作業で大きな問題が起きずに済みました。
当ブログ記事:
ヒヨコを迎える準備をしています -ニワトリ小屋をDIY①
梁、垂木、横桟を組む
住宅ではないし棟木があるわけでもないので“上棟”という呼び方は相応しくないかもしれませんが、それに相当する作業を続いて行います。柱を建てた次は、梁(はり)を組む作業です。
なお、木材の接着方法は主にビス留めですが、これまでの作業ではすべて75mmのビスを使用しています。なので、このビスは箱買いしました。垂木と横桟(よこざん)組みでは50mmのビスが活躍しました。
ビスが木材を貫通してしまっては意味がないので、ビス選びも大事です。
小屋の前部の柱2本には180cmの木材をめいいっぱい使い、後部の柱2本は165cmでカット。そして約116cmの奥行きに180cmの垂木を6本組みました。
特に勾配の計算はせず、目分量で判断しました。
斜めに組む垂木が梁に密着するように、ノミで切り欠きを行いました。そして、横桟を井の字型になるように5本組みました。
関連記事:
ヒヨコを迎える準備をしています -ニワトリ小屋をDIY②
ドアの取り付け、屋根板張り
次に、ドアを取り付けました。150cm×60cmのラティスが余っていたので、それに金網を打ち付けたものを用意しました。できるだけ新たな資材の購入は避け、廃材を消費していきたい所です。
ちょうどラティスが2枚あったので、裏庭へ続くドアも設置し、ノラ猫の通行をシャットアウトします。
ドアの取手には、海岸で拾った流木をあしらいました。
ノラ猫対策で言うと、ウッドデッキをさらに改修しました。柵&手すりを追加したのと、デッキ下を塞ぎました。
ここには一工夫してあるので、後編②でご紹介することにします。
続いて、屋根張りです。材料には波板を選びました。採光性を考えて、一部をポリカーボネート製にしました。
波板は6寸サイズを4枚購入。180cmの垂木にぴったりでした。建材は「ft(フィート)」だったり「寸(すん)」だったりと、和洋の単位がごっちゃになっていて、選ぶ時にややこしいのが難点です。
金網を張る
この工程に入れば、小屋作りも後半戦です。たいていの金網は幅90cmで販売されていますから、90cm以内で柱や下地を打っておくと良いでしょう。
金網を留める際は、又釘(20mm以下)を間隔を置いて打ち付け、その隙間にタッカーを使うと経済的だと思います。
初めての金網張り作業でしたが、案外簡単でした。網目の境を目安にすれば、まっすぐ綺麗に張ることができます。コツは、金網を引っ張りながらたわみを取りつつ又釘で固定することです。
心配していたウッドデッキ下は高さが70cm程度なので、隙間なく張ることができました。
当ブログ記事:
ヒヨコを迎える準備をしています -ウッドデッキの改造と修繕②
ヒヨコを迎える準備をしています -ニワトリ小屋をDIY③
産卵箱を作る
ニワトリ小屋に産卵箱は必須です。ニワトリは、薄暗い場所を好んで産卵場所にするからです。また、設置場所も同様に大事です。
小屋に入らなくても卵を取り出せるように、皆さん工夫しているようです。
我が家はそれに加えて、雨の日でも濡れずに部屋からアプローチできる場所に作りました。また、小屋の外側に設置することで、内部に圧迫感が無くなります。
屋根代わりになっているポリカシートが産卵箱の蓋になっています。これもまた、後編②でご紹介することにします。
ニワトリ小屋の完成
以上で、ニワトリ小屋が完成しました。大変でしたが、楽しみながら作ることができました。やはり、DIYは良いですね。愛着も湧きました。
まだやるべきことはありますが、これで一区切りとします。今後は、止まり木を付けたり、発酵床を敷いたりしていこうと思います。
小屋の全貌は後編②に譲るとして、製作日数と製作費用について計算してみました。
日数は、5月の晴れの日を選んで足掛け1ヶ月弱かかっています。肌感覚ですが、実質の作業時間としては2週間くらいだと思います。*ウッドデッキの改修時間は含まず
あと、気になる費用面。ウッドデッキの改修を含めると、細々入れて総額ざっと6万円なり。高いのは防腐塗料で、その内1.2万円。
純粋にニワトリ小屋の資材だけなら、3万円強というのが正直な金額です。
骨組み以外の部分は廃材を積極的に使用し、新調した木材の端材は補強材として利用したので、余りはほとんど出ませんでした。
しかし、丈夫でそれなりのサイズの小屋を作るとなると、廃材だけで仕上げるのは難しそうな気がします。
それでは、後編②でお会いしましょう!
当ブログ記事:
ヒヨコを迎える準備をしています -ニワトリ小屋をDIY④完結
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