時は明治末期のお話。神武寺の裏山では灰褐色の凝灰岩を切り出す仕事があったそうです。
それは池子石と呼ばれていて、建築材や墓石などに用いられていました。今回は、その池子石の石切り場跡を訪ねます。
鎌倉や横須賀の鷹取山にも石切り場があったと聞きます。しかし、ここ池子の石切り場ほど綺麗には残っていないようです。
ドラマ『西遊記』のロケ地として使用されたとも聞いています。
現場近くに到着しました。目印となる案内を発見。
「石切場跡」とあるので、間違いありません。
矢印に従って進むと、さらに矢印が。
そして、そのまた奥にも矢印が。
膝丈まで茂る草を踏み分けてしばらく進むと、石切り場跡はありました。
まるで洞窟のような入り口です。
おそるおそる中を覗くと、石を切り出した跡がありました。
情報によると、大正時代の関東大震災まで稼働していたのだとか。
目測で長さ約20メートル、高さは約3メートル程度。それに、横穴が3ヶ所です。
写真だとはっきり写りますが、実際は真っ暗で気味が悪いです。
天井から雫がポタポタ降っていて、さらに地面はデコボコしていて歩きづらいです。
よく見ると、落ちた雫が地面に模様を作っていました。
壁に俳句が彫ってありました。「ふり向けば うしろにも居り みちおしえ」と書いてあります。
みちおしえとは、人に付いてくる習性がある虫(ハンミョウ)のことです。
鬱蒼と茂った自然の中に、突如現れる石切り場跡。
そこに差し込む貴重な光が照らす風景は、どことなく殺伐としながらも人間の歴史を感じさせます。
動画も撮影したので、よかったらどうぞ。
海あり山ありの逗子の魅力は、まだまだ尽きるところがありません。